三菱重工、子会社の三菱重工プラント建設へスーツブロワ事業を移管
スーツブロワ事業を移管
当社100%出資子会社の三菱重工プラント建設株式会社へ
三菱重工業は5月1日付で、スーツブロワ事業を当社100%出資子会社の三菱重工プラント建設株式会社(社長:山本征士郎、本社:広島市西区)へ移管する。当社が持つ設計・営業機能を、工事施工・補修・保全機能を有する三菱重工プラント建設に集約し、従来の製品単体営業から、現地配管・据付け工事などを取り込んだ提案型営業へ転換していくのが狙い。それにより、事業の拡大と採算性の向上をはかっていく。
スーツブロワは、発電用石炭焚きボイラーやごみ焼却炉のキーコンポーネントの一つ。ボイラーなど熱交換器の伝熱管面に付着する煤やダストを除去する装置で、当社は長く安定した事業を展開してきた。しかし、ここ数年、価格競争が激化し、事業の採算を圧迫する傾向が強まってきたため、今後の事業の維持・拡大を睨んで、事業体制の変更を含む抜本的な対策が必要となっていた。
今回の措置は、単体事業運営から脱却し、より細かな周辺サービスも加えて提供しようというもの。具体的には、スーツブロワの新規商談や老朽化したボイラーの更新に合わせ、現地配管・据付け・配線工事などの取り込みをはかるとともに、ボイラー現地工事に伴う客先巡回に際し、定検工事の獲得や部品交換営業を積極的に展開、受注の拡大を目指していく。
三菱重工プラント建設は、タービン、ボイラー、風力機械、製鉄機械など当社製各種産業機械・装置の現地工事や、定期点検、修理、メンテナンスなどを手掛ける企業。1969年の設立(当初の商号は菱重プラント建設株式会社、1981年に現在の社名へ変更)で、資本金は3億円。従業員数は約290人。今回のスーツブロワ移管を受け、配管や現地工事も含めた一括取りまとめ体制を構築して競争力強化をはかっていく。
なお、事業移管に当たっては、子会社への簡易吸収分割方式を採用、必要な人員の異動も行う。
スーツブロワを必要とする石炭火力発電は、原油や天然ガスの高騰を背景に、他の火力発電設備からの切り換えが増加、それに伴い、老朽化した設備の更新需要が膨らんでいる。三菱重工プラント建設は、これをスーツブロワ事業拡大の好機と捉え、新体制を早期に構築して積極的な営業を展開していく。当社は今後も、同社と密接に連携、技術・営業両面でこの事業を全面的に支援していく。
以 上