IRジャパン、DC-DCコンバーター用PWM制御ICをサンプル出荷
インターナショナル・レクティファイアー
入力電圧が最大75VのDC-DCコンバータ用PWM制御ICをサンプル出荷
~ 通信機器向け、スイッチング周波数400kHz ~
パワー・マネジメント(電源管理)技術で世界をリードするインターナショナル・レクティファイアー・ジャパン(IRジャパン)株式会社(本社:東京都豊島区、江坂文秀代表取締役社長)は14日、入力電圧が最大75VのDC-DCコンバータ(*1)向けに、PWM(パルス幅変調)制御IC「IR3651」のサンプル出荷を開始しました。
スイッチング周波数範囲は100kHz~400kHz。ハーフブリッジ駆動回路のハイサイド側に150Vのオフセット電圧を加えられます。通信/ネットワーク機器や基地局装置、産業用制御機器などの電源に最適です。
IR3651と、IR社の小型金属パッケージDirectFET(R)に収めたパワーMOSFETとを組み合わせてDC-DCコンバータを構成した場合、入力電圧が48Vで出力が6A、3.3Vのときに、ヒートシンク(冷却器)や気流がない状態で、システム効率88%以上を達成できます。
故障時にシステムの信頼性を高めるために要求されるUVLO(低電圧ロックアウト)、設定可能なソフトスタート、過電流の瞬断保護などの機能を備えています。
200W以上の大電力の絶縁型DC-DCコンバータ、60W以下の非絶縁型DC-DCコンバータ、36Vのインクジェット・プリンタ、24Vの電動自転車、72Vの充電システム、高耐圧の非絶縁型DC-DCコンバータなどに使えます。
このICには、ハーフブリッジ駆動回路、発振器、基準電圧発生器(1.25V)を集積しています。ICの電源電圧範囲は4.5V~13.2V。出力駆動電流は1A(標準値)。パッケージは14ピンのSOP。サンプル価格は540円(税込み)の予定です。欧州の規制RoHS(特定物質の使用規制)に準拠しています。データシートと画像データはIRジャパンのホームページ(http://www.irf-japan.com)から入手できます。
<用語説明>
*1)DC-DCコンバータ:直流電圧を直流電圧に変換する回路です。例えば、パソコンやインターネット機器などの内部で基準とする電圧の12Vを、論理ICやマイクロプロセッサ(MPU)などのICを動作させるためのさまざまな電源電圧、例えば5V、3.3V、1.7V、1.2Vなどの電圧に変換する回路です。DC-DCコンバータの出力回路は一般的に、制御(コントロール)用のMOSFETと同期整流(シンクロナス)用のMOSFETを組み合わせて構成します。絶縁型DC-DCコンバータは、入力と出力が絶縁されたDC-DCコンバータです。絶縁にはトランスなどの絶縁部品を使います。このとき、トランスから見て入力側を1次側、出力側を2次側と呼びます。
<インターナショナル・レクティファイアー(IR(R))社について>
IR社はパワー・マネジメント(電源管理)技術のリーダーです。IR社のアナログIC、アナログ/デジタル混在IC、最先端デバイス、電源回路やモーター制御回路の部品やシステムは、コンピュータ、インバータ・モーター搭載の白物家電製品、照明器具、車載用電子機器、宇宙航空用電子機器など幅広い分野において、機器の小型化、省エネ化、高機能化に貢献しています。本社は米国カリフォルニア州エルセグンド。
注:IR(R)、DirectFET(R)は、International Rectifier Corporationの登録商標です。当資料に記載されるその他の製品名の商標はそれぞれの所有者に帰属します。