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ニュースリリースのリリースコンテナ第二倉庫

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2025'02.19.Wed
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2007'06.28.Thu

日立、社内の活動状況などを図面に表示する組織活動可視化システムを試作

センサ技術を用いて、組織内のコミュニケーションや活動状況を把握し、
地形図の形で図面に表示する組織活動可視化システム「ビジネス顕微鏡」を試作
組織運営の問題点抽出や生産性向上に寄与


 株式会社日立製作所(執行役社長:古川一夫/以下、日立)は、センサ技術などを用いて、企業内で社員のコミュニケーション頻度や活動状況を測定し、データを地形図の形で図面に表示する組織活動可視化システム「ビジネス顕微鏡」を試作しました。本システムは、赤外線センサ、加速度センサ、マイクセンサの各センサと、無線通信デバイスを内蔵した名札型のセンサネット*端末を社員が装着し、これを用いて社員同士の対面時間や動作を測定、データ化します。そして、測定したデータを、ネットワークを通じてサーバ上に収集し、新たに開発した組織ダイナミクス像生成技術により社員同士の相互影響の度合いを地形図上に表示します。
  本システムを用いることにより、これまで目に見える形で把握することが難しかった組織内でのコミュニケーション頻度や活動状況を可視化し、問題点を抽出することが可能になり、組織運営に伴うリスクの低減や生産性向上などの目的で活用することが期待されます。

 16世紀末に光学顕微鏡が発明されて以来、医学、生物学、物理学はめざましい進歩を遂げてきました。歴史を振り返ると、人類の知識・行動の限界は、顕微鏡などで実際に物事を観察することによって切り拓かれてきました。
 今日、21世紀のビジネスにおける共通かつ最大の課題として、経営学者のピーター・F・ドラッカー氏が指摘したように、専門的な知識に基づいて業務を行う知識労働者の生産性を向上させることがあげられます。この課題を解決するための取り組みとして、社員がもつ能力を十分に発揮させ社員間の協創を醸成する組織を作り、運営することが求められ、そのための基礎として、組織を構成する社員間のコミュニケーションの実態を把握することが必要となります。
 しかし、これまで、電子メールなどのITシステムの利用状況からコミュニケーションの実態を間接的に推測するアプローチはあったものの、多くの場合、現場にいる社員の感覚に頼った議論がなされてきました。この結果、問題が発生する前後の組織の状況などについて定量的なデータに基づいて分析することができませんでした。また、社員個々人では自分の周囲の状況しか把握することができないために部署間のシナジーが生まれにくいなど、組織の全体像の把握が難しいことが生産性向上を妨げる要因となっていました。

 このような背景のもと、日立では、センサ技術などを用いて、企業内で社員間のコミュニケーション頻度や活動状況を日常の組織活動の中で測定、データ化し、地形図の形で図面に表示する組織活動可視化システム「ビジネス顕微鏡」を試作しました。今回、試作した「ビジネス顕微鏡」の特長は以下の通りです。

(1)社員同士の対面頻度や動きを測定する、小型軽量の名札型センサネット端末
 社員同士の対面頻度や動きを測定するため、赤外線センサ、3軸加速度センサ、マイクセンサ、無線通信デバイスおよび小型電池を搭載した、重さ約60グラムの小型・軽量の名札型センサネット端末を試作しました。複数の赤外線センサの配置を工夫し、時間をずらして駆動制御する技術により、水平・垂直方向約30度、距離2メートルの範囲で、対面している他の名札型センサネット端末の検出を可能にするとともに、20時間の連続稼動を実現しています。

(2)社員同士の相互影響の度合いを可視化する組織ダイナミクス像生成技術
 組織内の、赤外線センサデータを収集・解析して得られる社員間の対面頻度データをもとに、社員同士の相互影響の度合いを地形図上に表示する組織ダイナミクス像生成技術を開発しました。組織ダイナミクス像生成技術を用いて作成された組織地形図では、複数のメンバで構成されている組織全体を組織地形図上に島の形状で表現し、活発に他の社員とコミュニケーションを行っている社員に対応して、地形図の内側に突き出した岬が形成されます。社員は島の内部に、メンバ間の対面頻度に基づき、つながりの強い人同士が集まって山を造り、等高線で表現されます。大きなグループは高く裾野の広い山として、小さなグループは低く小さな山として表現され、これらがつながりあってグループ間の複合的な関係が山脈状に表現されます。これにより、従来の組織図では見えない組織の構造が、センサによる実測値のみを用いて画像化され、日々の、あるいは中長期の動的な組織の変化が一目でわかります。

(3)加速度データを用いた社員間の相互影響度の可視化
 対面時間だけでは捉えきれない、社員間の行動や意思疎通上のつながりの強さや影響の方向性を、加速度センサで得られるデータから解析し、これを組織地形図上に重ね合わせて表示することが可能です。

 今回は、今年1月から株式会社日立総合計画研究所(取締役社長:八丁地隆)と日立製作所基礎中央研究所の37名が名札型センサネット端末を装着し、本システムを用いて組織の実態を把握するための実証実験を行いました。その結果、組織地形図上でマネージャや担当者間のコミュニケーション状況の変化を観察することにより、開発プロジェクトの中で不具合が発生したときに組織状態が変化したことを確認したり、チーム内での意思疎通を改善しなければならない部分を把握することができました。
 これにより、これまで目に見える形で把握することが難しかった組織内でのコミュニケーション頻度や活動状況を、組織地形図などを社員自身が見て把握することが可能になります。また、本システムを用いて業務プロセスを振り返ることにより、恣意的な判断によるものではなく、事実に即した問題点発掘や改善方法の提案を行うことが可能となり、問題点を抽出して組織運営に伴うリスクの低減や生産性向上などの目的で活用することが期待されます。

 日立では、今後、さまざまな組織を対象とした生産性改善やリスク予測サービスの事業化に向けて、社内外にて組織活動可視化システム「ビジネス顕微鏡」の実証実験を進めていく予定です。

 なお、本成果は、米国のマサチューセッツ工科大学(MIT)のメディアラボおよび同大学スローン経営学大学院との共同研究の成果が含まれており、6月29日に経団連会館(東京都千代田区)で開催する「日立‐MITオープンフォーラム」にて発表します。


*センサネットは、身の回りのモノや人、環境の温度、振動、脈拍などの情報をネットワーク経由で収集することで、空調・照明の管理、食品衛生管理、災害監視、健康管理などを実現する技術です。例えば、厨房や食品倉庫で温度や湿度を検知し、検知したデータをもとに遠隔操作で空調の設定変更を行うことで、食品の品質管理や安全性を高めることなどに活用できます。測定されたデータを利用して、社会生活のさまざまな場面で新しいサービスが可能になることから、次世代の情報システムとして期待されています。


*名札型センサネット端末、組織地形図などは添付資料をご参照ください。

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