STマイクロ、静電容量式タッチ・センサー・ファミリー製品「QST108」を発表
STマイクロエレクトロニクスは、静電容量式タッチ・センサ「QSTファミリ」の最初の製品を発表
新しいQSTファミリは、デジタル民生機器、産業システム、白物家電、コンピュータ周辺機器および携帯電話の革新的ユーザ・インタフェース向けに高まる要求に対応
STマイクロエレクトロニクス( http://www.st-japan.co.jp/ 、NYSE:STM、以下 ST)は、静電容量式タッチ・センサ・ファミリにおける最初のICで、幅広い市場において最新かつ革新的なユーザ・インタフェースを実現する新製品QST108の発売開始を発表しました。QSTファミリ製品は、クアンタム・リサーチ・グループ(Quantum Research Group、以下 クアンタム社)からライセンス供与された、特許取得済みで実績のある技術をベースにした完全デジタル標準製品です。STは、クアンタム社からOProx(TM)技術のライセンスを取得した最初の半導体メーカーです。
様々なアプリケーションにおいて、耐久性、使い易さ、そして価格が重要な課題である中、タッチ・センサ式制御によって、エレガントで魅力的、機能的さらには経済的なユーザ・インタフェースの設計が可能になることから、電気機械式スイッチに代わるソリューションとして急速に普及しています。
メーカーは、QSTファミリ製品により、密閉されたバックライト付きセンシング面を容易に作成できるため、タッチ・パネルのコストを大幅に削減できると同時に、革新的なインタフェースを作成することができます。
STのQST容量タッチ・センサ・ファミリズで最初のICであるQST108は、完全デジタルのファームウェア・ベース・ソリューションを使用しています。
このソリューションは、既に特許取得済みで市場において大きな実績を挙げているクアンタム社の電荷移動QProx静電容量技術を採用し、ユーザのタッチに反応するインテリジェント・シングル・チップ制御インタフェースを実現します。
QST108センサ・デバイスにより、メーカーは、従来のプリント回路基板やフレキシブル・プリント回路基板を用いて、最大8つのキーに対応する静電容量式タッチ・パネルを製品ユーザ・インタフェース用として作成することができます。センシング電極は、様々なサイズおよび形状でPCBレイアウトに組み込んだり、導電性インクを用いてプリントすることができます。QST108は、ガラス製やプラスチック製などの非導電性フロント・パネルの後ろにある電極に指が触れたこと検出します。外部コンポーネントの数は少なく、必要なチャネル1つに1個のサンプリング・コンデンサと1個の抵抗が使用されているだけです。
STのマイクロコントローラ事業部 8bitビジネス・ユニット担当ディレクタ Youssef Benmokhtarは次のようにコメントしています。「QSTは、機械式スイッチに代わるソリッドステートな代替方法です。低リスクで実績があり、高度な技術を駆使することによって際立った製品差別化を実現します。アプリケーションの設計者は、コスト効率の良い方法で最新のユーザ・インタフェースを、簡単にしかも短期間で開発することができるようになるでしょう。」
QSTデバイスは、モジュール化された状態で出荷されるため、メーカーはモジュール化やユーザ校正の必要がありません。QSTデバイスは、高度なドリフト補償、自動校正機能、ノイズ・フィルタリング、さらには隣接キー抑制機能(AKS(TM))を内蔵しており、最高レベルの使い勝手と完璧な制御性を実現します。デバイスの構成により、極薄プラスチック製パネルから10mm以上のガラス製パネルまで幅広いパネル厚みを選択することができます。また、QSTデバイスを使用するメーカーは、クアンタム社が開発し特許を取得しているファームウェアとパネルの組合せ方法に関する選択も可能です。
QST108タッチ・センサ・コントローラは、新たなソフトウェア開発を必要とせず、また、オプション抵抗によりファームウェア内で選択される異なるセンシング・モードを実行することができます。QSTは、機械式スイッチの代わりとなるソリッド・ステートな方法で、非常にフレキシブルなユーザ・インタフェース設計を実現し、信頼性が高く安定した静電容量式タッチ・ソリューションをもたらします。このソリューションは、製品設計に合わせて簡単にソフトウェアをカスタマイズでき、設計の変化に応じて再構成が可能です。QST標準ソリューションは、開発に要する時間とコストを大幅に低減できるため、設計者はシステム設計に集中することができます。
QST108は、最初32ピンLQFPパッケージで提供され、最大8つのLEDを駆動することができます。PWM(パルス幅変調)機能を備えているため、警報機出力の駆動あるいはLED輝度の制御が可能です。接触検出のデバウンス結果へは、個々の出力またはI2Cインタフェースを介してアクセスできます。
QST108は、I2Cの採用によりアプリケーションのホスト・コントローラと通信することができます。検出閾値、検出積分器、センサの再校正、低出力モードの作動、AKSモード、キーの状態、設定など、ユーザが設定できるパラメータおよび制御機能へは、単純なI2Cコマンドを使用してアクセスできます。
STは今後、異なったキー数や、容量ホイールおよびスライダーといった新しい機能を備えた製品をQSTファミリに加えていきます。近い将来、STは、1キー、2キー、4キー製品、さらには、7つのキーとホイールまたはスライダーを持つより複雑な製品を市場投入します。より多くのキーを持つ製品には、クアンタム社のQMatrix(TM)技術が採用されます。
●購入価格について
QST108KT6は現在、主要メーカー各社向けにサンプル出荷されており、2007年第4四半期に一般メーカーに向けて発売予定です。32ピンLQFPパッケージで提供されるQST108KT6の販売価格は、約1万個単位で約$1.80ドルです。
●電荷移動方式の静電容量センシングについて
QProxテクノロジーでは、導電性の検知電極(通常はプリント基板上の銅部分)に充電し、次にその電荷を固定値のサンプリング・コンデンサに移動します。
電荷移動は、MCU制御によるI/Oトランジスタのスイッチングを通して、特許取得済みの「バースト・モード」で実行されます。指などの物体によって生じる外的な静電容量が存在すると、電荷の流れに影響が出て静電容量の計測値が変化するため、物体の検出が可能になります。このスイッチング・プロセスは、今日実在するものとしては唯一100%デジタル式であり、極めて信頼性が高く堅牢であると同時に、キー数が多くなっても非常に低い価格設定が可能です。
本プレスリリースは、以下のURLからもご覧いただけます。
http://www.st-japan.co.jp/data/press/p2186s.html
*QProx(TM)、QMatrix(TM)およびAdjacent Key Suppression(TM)(AKS(TM))は、Quantum Research Groupの商標です。
【STマイクロエレクトロニクスについて】
STマイクロエレクトロニクスは、多種多様な電子機器向けに半導体製品やソリューションを開発・提供する世界的な総合半導体メーカーです。STは、他社の追随を許さない高度なシリコン技術とシステムノウハウを擁しており、幅広いIP(Intellectual Property)ポートフォリオ、戦略的パートナーシップ、大規模な製造力との組合わせにより、SoC(システム-オン-チップ)技術に関し世界的リーダーとしての地位を確立しています。またSTの半導体製品は、市場における技術やシステムのコンバージェンス化を促進するために重要な役目を果たしています。STは、ニューヨーク証券取引所(NYSE:STM)、パリ証券取引所(Euronext Paris)とミラノ証券取引所に上場されています。
2006年の売上は98.5億ドルで、純利益は7億8200万ドルでした。
さらに詳しい情報はSTのホームページをご覧ください。
ST日本法人:http://www.st-japan.co.jp
STグループ(英語):http://www.st.com
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