STマイクロ、携帯型アプリケーション向け超低消費電力タッチ・センサを発表
STマイクロエレクトロニクスは、コスト重視の携帯型アプリケーション向けに
超低消費電力タッチ・センサを発表
最速応答時間、センサ・ラインへの部品追加が不要な小型チップで、
STのタッチ・センサ製品ポートフォリオを拡充
STマイクロエレクトロニクス( http://www.st-japan.co.jp/ 、NYSE: STM、以下ST)は、韓国のATLab, Inc(以下ATLab社)とのライセンス契約締結に伴い、超低消費電力タッチ・センサの新ファミリを発表しました。
このセンサはコスト重視の白物家電市場だけでなく、携帯電話、PDA、ノートPCおよびメディア・プレーヤなどの携帯型アプリケーションへの搭載を目的としています。
「S-Touch」ファミリは、完全デジタル・アーキテクチャをベースにしたATLab社の静電容量式タッチ・センシング技術を採用しており、オン・チップ・マイコン、メモリまたはファームウェアを追加することなく、ユーザの接触に対応する制御インタフェースを実現できます。本ファミリの最初の製品は、8チャネルおよび12チャネル用のデバイスです。
今回の新しいタッチ・センサ・ファミリは、先日STが発表した、より複雑なアプリケーションにおけるインテリジェント・タッチ・センシング制御インタフェースを可能にするマイコン・ベースの「QST」シリーズを補完するもので、センサのMCUが複数の二次的な機能を制御することができる、よりシンプルな製品です。センサの製品群を拡充したことで、業界を超えた幅広い要求事項や条件に対応することができ、STは全種類のタッチ・センサ・ソリューションを提供する唯一の半導体サプライヤとなっています。
STは、消費電力の低い有限オートマトン(Finite State Machine, FSM)を導入し、S-Touchファミリのコアの最適化を図っています。従来のタッチセンサ・ソリューションに比べ消費電力はおよそ5~10倍低く、スリープ・モードの消費電力はわずか1μAです。デバイスからアプリケーションのタッチ・パネルに至るセンサ・ラインにおいて、通常他のソリューションでは必要となる外部RC(抵抗-コンデンサ)ネットワークは不要です。また8入力デバイスで2.6 x 1.8mmのQFN16パッケージを使用するなどセンサ本体が小型であるため、既存の同様のソリューションよりおよそ80%の小型化を可能にする非常にコンパクトなソリューションを実現し、高いコスト競争力を発揮します。センサのサンプリング時間は業界最速の2ミリ秒です。
今後このファミリでは、STの新しいXpander Logicファミリにおける特許技術を統合し、I/Oの多いタスクを超低消費電力のXpander Logic ICに再割り当てすることにより、MCUベースの組込みシステムでの入出力ポート数の制限を緩和する予定です。この技術により、既存のシステム・プロセッサは高速のI2Cインタフェースを介して幅広いインテリジェント機能を追加でき、ゴースト・キー、複数キーおよびホット・キー処理など最大96キーをサポートできるキーパッド制御や、PWM(パルス幅変調)コントローラによるLED輝度調節が可能になります。
このようにSTとATLab社のIP(知的財産)を組み合わせることにより、S-Touchは完璧なユーザ・インタフェース・コントローラのための真の1チップ・ソリューションを実現し、LEDバックライトや静電容量式タッチ・キーおよび抵抗性タッチ・スクリーン機能付きのフルサイズ・キーパッドに対応できます。
STは、特定分野における高度なデジタルIP設計サービスに関して、ATLab社との共同開発をさらに拡張する可能性も検討中です。この技術は、MCUベースであるQSTシリーズの代替技術です。2つのファミリの幅広いタッチ・センシング設計オプションが、スタイル、材質、および機能上の要求事項に対応します。
12チャネルのSTMPE1208は2007年6月よりサンプル出荷されており、9月から量産の予定です。8チャネルのSTMPE821は2007年9月にサンプル出荷が開始され、2008年1月から量産の予定です。価格は約10万個購入時でそれぞれ約$1.60および約$1.40です。
本プレスリリースは以下のURLでもご覧いただけます。
http://www.st-japan.co.jp/data/press/p2183d.html
技術について
S-TouchはATLab社が特許を取得しているインピーダンス変動検出エンジン(ICDE)を採用しています。この技術は60fF(フェムト・ファラッドは、ピコ・ファラッドの1000分の1)ものわずか静電名容量の変化を検出します。センサのダイナミック・レンジは6pFなので、60fFごと100のステップに分割できることになります。ICDEは時間遅延を生じる容量の変化を検出します。これは各センサにピンを1つしか必要としない市場で唯一のソリューションであり、従来のほとんどの産業ソリューションで必要とされてきたセンサ・ラインのRCネットワークが不要です。またユニークな自動校正技術により、S-Touchは様々なアセンブリやPCB、EMCインタフェース、および水膜の影響に対して高い耐性を示します。
ATLab社について
ATLab, Inc.('@Lab')は2000年7月に設立され、混合信号システム・オン・チップ(SoC)分野に特化したファブレス半導体企業です。
光学式ナビゲーション・センサ、デジタル接触コントローラ(DCC)およびGbitマルチメディア・データeXpress(GMDX)といったアプリケーション特化標準品(ASSP)事業に注力しており、設計、製造、販売およびサービスの分野における350人以上の専門家グループを擁しています。さらに、ATLab社は知的財産(IP)事業および共有研究開発サービスも行っています。
詳細は www.atlab.co.kr をご覧ください。
STマイクロエレクトロニクスについて
STマイクロエレクトロニクスは、多種多様な電子機器向けに半導体製品やソリューションを開発・提供する世界的な総合半導体メーカーです。STは、他社の追随を許さない高度なシリコン技術とシステムノウハウを擁しており、幅広いIP(Intellectual Property)ポートフォリオ、戦略的パートナーシップ、大規模な製造力との組合わせにより、SoC(システム-オン-チップ)技術に関し世界的リーダーとしての地位を確立しています。またSTの半導体製品は、市場における技術やシステムのコンバージェンス化を促進するために重要な役目を果たしています。STは、ニューヨーク証券取引所(NYSE:STM)、パリ証券取引所(Euronext Paris)とミラノ証券取引所に上場されています。
2006年の売上は98.5億ドルで、純利益は7億8200万ドルでした。
さらに詳しい情報はSTのホームページをご覧ください。
ST日本法人: http://www.st-japan.co.jp
STグループ(英語): http://www.st.com
◆ お客様お問い合わせ先
〒108-6018 東京都港区港南2-15-1
品川インターシティA棟18階
STマイクロエレクトロニクス(株)
MPAグループ
TEL: 03-5783-8250 FAX: 03-5783-8218