STマイクロ、Bosch社とBCD8プロセス・テクノロジーのライセンス供与で契約締結
STマイクロエレクトロニクスがBosch Automotiveに最先端のスマート・パワー・プロセス・テクノロジーのライセンスを供与
世界トップクラスの車載エレクトロニクス企業が20年間のパートナーシップを継続し、ST独自のBCD8スマート・パワーおよびHVCMOS8高電圧テクノロジーを採用
自動車市場向け半導体の大手サプライヤであるSTマイクロエレクトロニクス( http://www.st-japan.co.jp/ 、NYSE:STM、以下ST)は、世界一の車載エレクトロニクス・システム企業であるRobert Bosch GmbH(以下Bosch社)との間で、最先端BCD8プロセス・テクノロジーのライセンスを供与する契約を締結しました。このライセンス供与により、Bosch社はこの最先端テクノロジーを自社のウェハ製造工場で製造可能となり、高度に集積化された車載製品の設計と製造を行うことができるようになります。今回の措置は、過去20年にわたる両社の緊密な戦略的パートナーシップを継続させるものです。また、STは今回初めて自社のHVCMOS8高電圧CMOSプロセスをBosch社と共有することになります。
BCD8(Bipolar-CMOS-DMOS)は、ST独自のスマート・パワー・テクノロジーにおける最新の導入事項であり、アナログ、デジタル、および電源の各回路を単一チップ上に集積化できます。2006年に発表されたこの独自プロセスの最新バージョンは、半導体製造プロセスに劇的な進歩をもたらします。0.35ミクロン・プロセスのBCD6に対して、BCD8プロセスは0.18ミクロン技術を使用しており、単一のシリコン・チップ上で完全なシステム(MCUを含む)の製造を初めて可能にします。この極めて高水準な集積化によって、コストの低下、信頼性の向上、パッケージングの小型化という重要なメリットがBoschの車載システムに提供されます。
プロセス・テクノロジーの使用に加えて、Bosch社はSTのBCD8設計ルールのライセンスも取得しており、Boschの社内設計チームが独自に製品を設計し、自社のウェハー工場で生産できるようになります。
BCD8で製造されるチップは、ロジック部分のゲート密度が従来の(BCD6)テクノロジーに対して4倍の向上を示し、他のいかなるスマート・パワー・プロセスよりも高いと考えられます。リソグラフィの小型化にもかかわらず、電源能力はBCD6と同水準のままであり、BCD6で確立されたメリット(優れた高耐圧能力、過酷な環境状況における保護機能、幅広い動作温度範囲、車載対応の信頼性などを含む)もそのまま保持されています。
Bosch社は、エンジン制御、トランスミッション制御、搭乗者保護、シャーシ・システム、およびその他のアプリケーションといった全ての範囲にわたり同テクノロジーを利用することが予想されます。また、STがBosch社にライセンス供与しているHVCMOS8高耐圧CMOSテクノロジーは、一般的にはセンサ・インタフェースやアナログ処理などのアプリケーションで使用されます。
STの上級副社長兼車載製品グループのジェネラル・マネージャであるUgo Carenaは次のようにコメントしています。「20年にわたるBosch社とのパートナーシップがこうして延長されることは、当社の最先端テクノロジーに対する信頼を示すものであり、世界で最も先進的な車載システム製造メーカーである同社との共同作業が続くことを楽しみにしています。世界的自動車部品のトップメーカーとして、Bosch社の品質には業界内で非常に高く評価されています。」
iSuppli社の調査によると*、STは車載アプリケーション専用チップ(ASIC/ASSP、独自のBCDテクノロジーに基づくデバイスを含みます)のサプライヤとして世界最大であり、マイクロチップ全体では3番目に大きな自動車業界向けサプライヤです。また、高度化の進む今日の自動車に必要とされる複雑な電力要件を処理するパワー・マネージメント用チップのプロバイダとしてもトップであり、主要顧客の中に世界の自動車メーカーOEM上位10社がすべて含まれています。
車載市場において、コスト・パフォーマンスに関する厳しい要求が半導体業界にとって大きな課題となっています。生産規模の大きさと競争の激しさゆえに、極めて価格意識が強い市場である一方、その動作環境は、周囲温度-40~+150℃、大きなエネルギー過渡、偶発的なバッテリーの逆接、高レベルの震動など、著しく厳しいものになっています。
本プレスリリースは以下のURLでもご覧いただけます。
http://www.st-japan.co.jp/data/press/t2170a.html
*iSuppli - 2006年度半導体市場シェア(2007年第1四半期発行)
【 STマイクロエレクトロニクスについて 】
STマイクロエレクトロニクスは、多種多様な電子機器向けに半導体製品やソリューションを開発・提供する世界的な総合半導体メーカーです。STは、他社の追随を許さない高度なシリコン技術とシステムノウハウを擁しており、幅広いIP(Intellectual Property)ポートフォリオ、戦略的パートナーシップ、大規模な製造力との組合わせにより、SoC(システム-オン-チップ)技術に関し世界的リーダーとしての地位を確立しています。またSTの半導体製品は、市場における技術やシステムのコンバージェンス化を促進するために重要な役目を果たしています。STは、ニューヨーク証券取引所(NYSE:STM)、パリ証券取引所(Euronext Paris)とミラノ証券取引所に上場されています。2006年の売上は98.5億ドルで、純利益は7億8200万ドルでした。
さらに詳しい情報はSTのホームページをご覧ください。
ST日本法人:http://www.st-japan.co.jp
STグループ(英語):http://www.st.com
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