三菱電機、中国・遼寧省と福建省の原子力発電プラント制御システムを受注
日本企業として初めて中国遼寧省と福建省の原子力発電プラント制御システムを受注
三菱電機株式会社(執行役社長:下村 節宏)は、中国の北京広利核系統工程有限公司と共同で、広東省の中広核工程有限公司から、出力1,000MW(メガワット)の加圧水型原子力発電所6基のデジタル計装制御システムを一括受注しました。
■受注の経緯
中国が遼寧省 紅沿河および福建省 寧徳に建設予定の原子力発電プラント(CPR1000型原子炉※1)6基の制御システムについて、中広核工程有限公司から2006年9月に入札の招請がありました。中広核工程有限公司は広東省に6基の原子力発電所を保有する中国広東核電集団有限公司傘下のエンジニアリング会社です。当社は中国のシステムエンジニアリング会社である北京広利核系統工程有限公司と共同で2006年11月の入札に応じました。当社は、入札にあたってはコンソーシアムリーダーとして三菱重工業株式会社、三菱商事株式会社とも協力して提案を行い、数度にわたる契約交渉を経て、2007年7月4日に正式契約を締結しました。契約金額はコンソーシアム総額で約300億円です。
日本の企業が中国の原子力発電プラントの制御システムに参入したのはこれが初めてです。なお、制御システムは、原子炉など主要機器の製造者に発注されるのが通常ですが、今回当社コンソーシアムが受注したのは、当社の提案が高い評価を受けたためです。
※1:中国自主設計の1,000MW加圧水型原子炉。フランスの設計を基に中国で一部改良した原子炉
■当社提案の概要
1.最新の技術を適用
今回受注したデジタル計装制御システムは、原子力発電プラント全体の運転をつかさどるものです。日本国内で豊富な運転実績を持ち、信頼性が高く、かつ日本の最新プラントに適用されているデジタル計装制御システムが高い評価を得ました。
2.プロジェクト推進体制
当社がリーダーとなり、北京広利核系統工程有限公司とのコンソーシアムで契約し、両社がシステム構成に応じ業務を分担して設計・製作を行います。システムの基本設計は三菱重工業株式会社が担当し、三菱商事株式会社も契約サポートを実施します。
3.中国メーカーによる国産化を支援
中国では原子力発電プラント技術の国産化・自主化を推進しています。今回受注した6システムの設計・製作を通じて、北京広利核系統工程有限公司に対する技術協力を実施し、中国メーカーによる国産化を支援します。
■中国の原子力市場と当社の今後の展開
中国では2020年までに原子力発電所の設備容量を現状の約9,000MWから40,000MWまで増強する計画で、今後20基以上の原子力発電所の建設が計画されています。その中で中国広東核電集団有限公司は、今回建設されるCPR1000型原子炉と同型の原子炉を、今後10年程度の内に多数建設する計画です。
建設が先行するCPR1000型原子炉2基では過去の実績が考慮され、フランス製デジタル計装制御システムが導入されましたが、今回の6システムをすべて当社コンソーシアムが受注したことから、今後中国で建設されるCPR1000型原子炉の標準システムとして、継続採用される可能性が高くなりました。
当社は原子力事業拡大の一環として、中国を含めた海外への業務拡大を推進しており、本受注を契機に、三菱グループ企業、北京広利核系統工程有限公司とも協力し、他の原子力発電プラントへの適用も含め、デジタル計装制御システムの更なる受注拡大を目指します。
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