東レ、肌ざわりにこだわったストッキング用ナイロン長繊維「ミラコスモウイン」を発売
きもちいい肌ざわりにこだわった、ストッキング用ナイロン長繊維
“ミラコスモウイン(MIRACOSMO UIN)”の発売について
東レ(株)はこの度、ストッキングにした際の肌ざわりのきもちよさにこだわったナイロン長繊維“ミラコスモウイン”を発売します。2007年秋冬向けから国内大手ストッキングメーカーへの販売を進め、販売目標は、ストッキング換算で2007年度に200万足/年、3年後の2010年度には600万足/年を計画しています。
“ミラコスモウイン”を使用したストッキングは、編み立てた生地の表面が、しっとりとしていながらすべすべとした「なめらかなパウダータッチ」を感じられる、きもちのいい肌ざわりとなります。具体的には、繊維の断面形状を、通常よりも細い2本の繊維を並べてつなげたような、中央部にくびれのある「ビーンズ断面」にしています。この断面形状を持つ糸で編んだストッキング生地は、通常の丸断面の糸で編んだ場合に比べ、より多くの細かな点で肌に触れることになるため、なめらかなパウダータッチが実現できます。また、ストッキング用の糸は、ポリウレタン弾性糸を芯糸にしてそこへ数本の単糸で構成されたナイロン長繊維を巻き付けた、カバリング糸に加工して編み立てることが主流ですが、今回の新原糸は通常の丸断面糸に比べて横に平たい形状であるため、芯糸に沿うようにきれいに巻き付けることができます。これにより、巻きムラによる凹凸ができにくく、カバリング加工をしても均一でなめらかな表面タッチが得やすくなりました。さらに、糸の側面にあるくぼみ部分が光を反射することで、微細な宝石をちりばめたような上品な光沢感をもたらします。
ストッキングは、女性が身に着ける衣料品の中でも直接肌に触れる面積の大きなアイテムであり、東レが独自に行ったストッキング購入時の意識調査においても、「肌ざわり」はストッキング選びの最も重要なポイントの一つに挙がっています。また近年は、パンツスタイルの流行や、スカートでもストッキングを履かない、いわゆる「ナマ脚」が定着するなど、若い世代を中心にストッキングを履く機会は減っているとされていますが、オフィスワークや冠婚葬祭の際など、ストッキングを履く機会はまだまだ多くあります。東レは、そのようなストッキングの市場に向けて、見た目の美しさや破れにくさといった観点と同時に、より着用快適性を得られるような原糸開発を進めてきました。この度の“ミラコスモウイン”は、着用快適性の中でも、特に肌ざわりの良さに重点を置いて開発した新原糸です。
東レは、現在推進している中期経営課題“プロジェクト Innovation TORAY 2010(略称IT-2010)”において、21世紀の東レグループの企業イメージの一つに、「お客様第一の東レ」を掲げています。ストッキングは、原糸の性質・性能が直接的に最終商品に反映する用途であり、強さとしなやかさを兼ね備えたナイロン長繊維の特長を存分に活かすことのできる用途です。東レは、ナイロン長繊維の国内トップメーカーとして、今後も市場に求められるニーズを的確かつ敏感に捉えた原糸開発を推進し、お客様が本当に必要とする感性と機能性を持った新商品を提供していく所存です。
“ミラコスモウイン”の詳細は、下記のとおりです。
記
1.商品名:
“ミラコスモウイン” (英文表記:“MIRACOSMO UIN”)
2.商品特長:
(1) ストッキングに編み立てた生地の表面が、しっとりとしていながらすべすべとし、「なめらかなパウダータッチ」を感じられる、きもちのいい肌ざわりとなる。
(2) 編み地の表面に、微細な宝石をちりばめたような上品な光沢感をもたらす。
3.技術概要:
(1) 繊維の断面形状を、通常よりも細い2本の繊維を並べてつなげたような、中央部にくびれのあるビーンズ断面にしている。この断面形状を持つ糸で編んだストッキング生地は、通常の丸断面の糸で編んだ場合に比べ、より細かな点で肌に触れることになるため、なめらかなパウダータッチとなる。
(2) 丸断面よりも横に平たい形状であるため、芯糸に沿うようにきれいに巻き付けることができ、現在のストッキング用の主流であるカバリング糸に加工する場合でも巻きムラによる凹凸ができにくく、均一でなめらかな表面タッチが得やすくなる。
(3) 糸の側面にあるくぼみ部分が光を反射することで、上品な光沢感をもたらす。
※カバリング糸の側面写真 【関連資料 参照】
4.特許:
関連含む4件出願済み。
5.販売計画:
2007年度 : ストッキング 200万足分/年
2010年度 : 同 600万足分/年
以上