東北電力、カザフスタン共和国のウラン鉱山プロジェクトに参画
カザフスタン共和国におけるウラン鉱山プロジェクトへの参画について
当社は、カザフスタン共和国の国有原子燃料会社であるカザトムプロム社が推進している、新規ウラン鉱山開発・生産プロジェクトに参画することとし、このたびカザトムプロム社の関係会社の株式5%を丸紅株式会社より取得いたしました。
今回のウラン鉱山開発・生産プロジェクトへの参画は、当社にとって初めてのウラン鉱山権益の取得となります。
本プロジェクトは、カザトムプロム社が出資するキズルクム社Kyzylkum LLP)およびバイケン‐U社(Baiken-U LLP)が南カザフスタンのハラサン鉱山を新規に開発(キズルクム社が鉱区1を、バイケン‐U社が鉱区2を開発)するもので、今般、当社が株式を取得したカザトムプロム社の関係会社は、キズルクム社およびバイケン‐U社を間接的に保有しております。なお、本プロジェクトには、日本側から、丸紅株式会社、東京電力株式会社および中部電力株式会社が既に参画しております。
本プロジェクトは本年から試験生産を開始し、2014年までにウラン生産量5,000トン(MTU)/年のフル生産に移行する予定で、2050年頃までの生産を計画しております。本プロジェクトにおける潜在ウラン資源量は、両鉱区あわせて約160,000トン(MTU)以上(*)と見込まれております。なお、当社を含めた日本側4社は、両鉱区より生産されるウラン精鉱のうち、フル生産時で2,000トン(MTU)/年の引取権を有し、そのうち当社は、出資比率(5%)に相当する100トン(MTU)/年の優先引取権を有することになります。
カザフスタン共和国は、ウラン資源をはじめとする資源大国として近年注目を集めており、本年4月には、日本のウラン安定調達等を目的とした、甘利経済産業大臣をはじめとする総勢約150人からなる官民合同ミッションが同国を訪問しております(当社からは高橋社長が参加)。この際、原子力分野における両国の関係強化案が確認されており、その中で、当社を含む日本企業の本プロジェクトへの参画についても合意したものです。
当社は、原子力発電の安定性、経済性の観点から、ウランの長期安定確保を重要課題として位置づけております。このような中、本プロジェクトへの参画により、一層の供給源の分散化および契約の多様化が図られ、ウランを長期的に安定して確保していくことができるものと考えております。
なお、キズルクム社およびバイケン‐U社は、本プロジェクトの開発資金の一部について、国際協力銀行から融資を受けることとなっております。
また、当社の本プロジェクト参画にかかる出資については、独立行政法人日本貿易保険の海外投資保険を利用しております。
以上
(*)潜在ウラン資源量はあくまでも推定値
●添付資料 カザフスタン共和国のハラサン鉱山位置
(※ 関連資料を参照してください。)