太平洋セメント、超高強度繊維補強コンクリート「ダクタル」を羽田空港D滑走路桟橋部床版に大量供給
超高強度繊維補強コンクリート「ダクタル」、羽田空港D滑走路の桟橋部床版に採用
太平洋セメント株式会社(代表取締役社長:鮫島章男)は、東京国際空港D滑走路建設外工事の桟橋部において、超高強度繊維補強コンクリート(UFC)製大型プレキャスト床版が採用されたことから、この床版の材料として、ダクタルを2年間にわたり大量供給します。
羽田空港D滑走路の桟橋部(図-1)では、滑走路及び誘導路の外側の範囲(約20万m2)に、UFC製のプレキャスト床版(約7,000枚、標準寸法約7.8m×約3.6m)を桟橋上の床版構造(図-2)として使用します。この工事で使用するUFCは24,000m3を予定しており、UFCとしては世界最大の使用量となります。
UFCは、社団法人土木学会が100年の耐久性や高い力学特性、疲労特性を認めた斬新な材料です。ダクタルは、そのUFCに適合する材料であり、その長期耐久性や床版の軽量化による桟橋構造全体のコスト縮減効果(図-3)が認められ、UFC製床版の材料として国土交通省に採用されました。弊社は、本年12月より毎月平均約1,000m3のダクタルを約2年間にわたり供給します。
ダクタルは、UFC専用のプレキャスト床版製作ヤードに搬入され、厳格な品質管理体制の下、練り混ぜ、型枠打設、脱型、蒸気養生等の工程を経てUFC製床版となり、羽田再拡張D滑走路建設工事共同企業体(鹿島・大林・五洋・佐伯・清水・新日鐵・JFEエンジ・大成・東亜・東洋・西松・前田・三菱重工・みらい・若築異工種建設工事共同企業体)が建設する、羽田空港D滑走路建設現場へ海上運搬後、設置されます。
弊社は材料としてのダクタルを供給するとともに、UFC製床版製造工程のうち練り混ぜ工程部分についても担当し、ダクタル特有の品質管理にかかわるノウハウを活かし、100年間の設計供用期間に対する長期耐久性と高い疲労耐久性等を有する高品質なUFC床版の製造の一翼を担い、羽田空港D滑走路建設に協力していきます。
<解説>
羽田空港D滑走路の桟橋部は、海中に打設した鋼管杭と鋼製のジャケット、及びジャケットの鋼桁上に配置されたコンクリート床版から構成されます。このうち、滑走路や誘導路を含む桟橋中央部約31万m2は普通コンクリート製のプレキャスト床版(約10,700枚、標準寸法約6.6m×約3.3m)と現場打設の間詰部からなる連続コンクリート床版、残りの外周部約20万m2は超高強度繊維補強コンクリート(UFC)製のプレキャスト床版(約7,000枚、標準寸法約7.8m×約3.6m)を敷設して構築する世界最大規模の床版施工工事です。
●図-1 D滑走路全景
●図-2 桟橋部の構造
●図-3 床版比較表
(※ 関連資料を参照してください。)