大日本印刷、国際規格に準拠した低価格の非接触ICカードを開発
大日本印刷 低価格の非接触ICカードを開発
1枚50円で新たな市場の掘り起こしへ
大日本印刷株式会社(本社:東京 社長:北島義俊 資本金:1,144億円 以下:DNP)は、国際規格ISO/IEC14443 Type Aに準拠した低価格の非接触ICカードを開発しました。3月より順次評価サンプルを出荷し、2007年内に販売を開始します。
近年、電子マネーや交通乗車券、社員証などで非接触ICカードが利用されています。しかし、チケット、回数券、診察券、商品券などの用途ではコストが課題となり、導入が進んでいませんでした。DNPは、今までにない低価格を実現することで、これらの分野での非接触ICカードの導入を推進します。
*画像:ISO/IEC14443 Type Aに準拠した低価格の非接触ICカード
(※ 関連資料を参照してください。)
【製品の概要】
●紙カードと、PETのプラスチックカードの2タイプを提供します。
●10万枚の場合、紙カードで約50円という低価格を実現しました。
●本製品は、既存のMIFAREカード用ICカードリーダーライターで利用できます。
●将来の利用が期待されている、非接触通信方式NFC※に準拠したICカードリーダーライターでは、本カードとMIFAREカード、FeliCaカードがすべて利用できます。これにより、現在、電子マネーなどに利用している既存の非接触ICカードと、ポイントカードやクーポンとして発行した本カードを、同じ会員カードシステムで利用することが可能です。
●DNPは、ICカードだけでなく、利用システム(アプリケーション)の開発、ICカードリーダーライターの提供も行います。また、ICカードリーダーライターに認証鍵や認証プログラムを搭載するためのセキュリティICカードも提供します。
本製品の仕様は以下のとおりです。
●準拠規格:ISO/IEC14443 Type A
●メモリー容量:書換え可能な領域が48バイト、書換え不能な個別のID番号が7バイト
●カード基材:コート紙またはPET(ポリエチレンテレフタレート)
●カードの厚み:0.3mm~0.8mm
【今後の取り組み】
DNPは、当製品に関連する売上として、3年間で50億円を見込んでいます。
なお、当製品は、3月6日(火)から9日(金)まで有明の東京ビッグサイトで開催される「ICカードワールド2007」のDNPブースに出展します。
※NFC(Near Field Communication):
13.56MHz周波数帯を利用する近距離型無線通信技術。2003年にISO/IEC 18092として規格化。
MIFAREカードとFeliCaカードそのものには互換性はないが、NFC搭載機器は、両方のICカードと通信することが可能。また、既存のICカードシステムではリーダーライターがカードのデータを読みとるだけであるのに対し、NFC搭載機器は、機器間で相互にデータを読みとることも可能なため、新しい用途が期待されている。