米アドビ、Adobe Acrobat 3Dを対象としてCADトランスレーター最新版を無償提供
アドビ システムズ社、
Adobe Acrobat 3Dを対象とした
CADトランスレーター最新版の無償提供を開始
最新の主要な3D CADファイルのPDF変換が可能に
米国カリフォルニア州サンノゼ発(2007年1月24日)Adobe Systems Incorporated(NASDAQ:ADBE、本社:米国カリフォルニア州サンノゼ、以下アドビ システムズ社)は本日、Adobe(R) Acrobat(R) 3Dのアップデータとして、最新のCADファイルフォーマットに対応した3D CADトランスレーターの無償ダウンロード提供を開始すると発表しました。このアップデートを実施することにより、Adobe Acrobat 3Dのユーザは、Adobe Acrobat 3Dを主要なCADファイルフォーマットの最新バージョンに対応させることができ、最新バージョンのCADフォーマットで作成した3Dモデルを、高い安全性を保ちつつPDFに変換することが可能になります。この新しいトランスレーターは、2006年4月にアドビ システムズ社が買収した非公開企業、Trade & Technologies France(TTF)社の技術を利用しています。TTF社の技術は主要なCAD、CAM、CAE開発者に広く利用されています。
アドビ システムズ社 ナレッジワーカービジネスユニット担当シニアバイスプレジデントのトム ヘイル(Tom Hale)は、「Adobe Acrobat 3DおよびPDFは、製造、建築、建設やエンジニアリングなどの業界に着実に浸透しています。また、信頼性が高く世界中に広く普及したファイルフォーマットであるPDFを活用することにより、長年業界に存在し続けていたコミュニケーションやコラボレーション上の問題を解決することができたと、この技術を高く評価する声も多く寄せられています。TTF社の買収は、アドビが製造、建設、建築やエンジニアリング市場に真剣に取り組み、Adobe Acrobat 3DとPDFの基本性能の絶え間ない強化を図っている姿勢の現れです。TTF社の買収により、Adobe Acrobat 3Dの次期バージョンであるAdobe Acrobat 3D Version 8では、3Dモデルをさらにコンパクトで高精度のPDFファイルに変換することが可能になります。また、買収によって獲得した知的財産と技術によって、CAD業界の急速な変化の流れに迅速に対応することができます」と述べています。
今回無償提供されるアップデータには、Dassault Systemes社のCATIA、PTC社のPro/ENGINEERや、SolidWorks、UGS社のNXおよびI-deasなどの最新ファイルフォーマットに対応した3D CADトランスレーターが含まれます。これらのフォーマットで作成した3DモデルをAdobe Acrobat 3Dを使ってPDFに変換することにより、設計プロジェクトに関わるより多くのチームメンバーと、3Dモデルを使用したコラボレーションが必要とされる重要なコミュニケーションを、高い安全性を維持しながら、迅速かつ安価に完了させることができます。例えば、自動車、産業用機械、航空宇宙機器の設計エンジニアをはじめとする設計や製造の関係者であれば、Adobe Acrobat 3Dを活用することで、より効率的に、作成した資料のレビューを顧客、取引先やサプライヤーに依頼することができます。Adobe Acrobat 3DでPDFに変換した資料は、無償のAdobe ReaderRさえあれば閲覧できるため、レビュー担当者は製品構造を確認することはもちろん、Adobe Acrobat 3Dによって特別な権限が付与されたPDFであれば、3Dモデルに直接、注釈やコメントを付けたり、計測や断面ツールを利用することが可能です(※1)。
(※1) Adobe Reader 7.0.7以降が必要です。
SolidWorks社のワールドワイドマーケティング担当バイスプレジデントであるライナー ゴーリック(Rainer Gawlick)氏は、「SolidWorks社とアドビ システムズ社は、3Dデータを使った効果的なコミュニケーションを支援するという共通の目標を持っています。現在、製造業各社が市場競争力を確保するためには、これまで以上に効率的に製品の3Dデータを交換したコラボレーションが必要となっています。最近の例が示すように製造業界では、CADフォーマットのバージョンの違いを越え、組織外にも広がるまさにサプライチェーン全体で、安全性が高くコンパクトな3Dデータを使ったコラボレーションを可能にするツールの必要性が高まっています」と述べています。
2006年9月に発表されたAdobe Acrobat 3D の次期バージョンであるAdober Acrobat 3D Version 8には、今回のアップデートで提供されるCADトランスレーターが標準で搭載される予定です。そのほかAdobe Acrobat 3D Version 8は、ファイルサイズが大きく複雑な構造を持つCADアセンブリから、正確なジオメトリを備えた、非常にコンパクトなPDFを作成する高度な機能を提供します。これにより、3Dモデル上に直接指定されたジオメトリ寸法、トレランス、注記、寸法などの製品製造情報(PMI)が盛り込まれたPDFの作成が可能になります。また、作成したPDFから正確な製造データをSTEP、IGES、Parasolidなどの標準的な3Dフォーマットに書き出し、CAMやCAEのアプリケーションで再利用することも可能です。
価格と入手方法について
Adobe Acrobat 3Dのユーザは、アドビ システムズ社のWebサイト( http://www.adobe.com/jp/support/downloads/acwin.html )から、Adobe Acrobat 3Dアップデータを無償でダウンロードすることができます。アップデータは日本語版、英語版、フランス語版、ドイツ語版が提供されます。Adobe Acrobat 3Dの詳細については、 http://www.adobe.com/jp/products/acrobat3d/ をご覧ください。
Adobe Acrobat 3D Version 8の日本での提供開始は2007年第2四半期を予定しています。2006年9月18日からAcrobat 3D Version 8の提供開始までの期間にAdobe Acrobat 3Dを購入したユーザは、Acrobat 3D Version 8に無償でアップグレードすることができます(※2)。
(※2) 別途、消費税、手数料が必要となる場合があります。
アドビ システムズ社について
アドビ システムズ社は、時間や場所、利用するメディアや機器を問わず、あらゆるユーザの、アイデアや情報との関わり方に変革をもたらしています。アドビ システムズ 株式会社はその日本法人です。同社に関する詳細な情報は、Webサイト http://www.adobe.com/jp に掲載されています。