京セラ、長寿命化を実現した切削工具2シリーズを発売
新材種により従来品の約2倍の寿命を実現
一般鋼加工用工具『PR1025』、快削鋼加工用工具『PR1005』 新発売
京セラ株式会社(社長:川村 誠)は、機械工具事業において、一般鋼の精密加工に適した切削工具「PR1025」および快削鋼の精密加工に適した切削工具「PR1005」を開発し、3月1日より本格販売を開始しますのでお知らせいたします。
■商品概要
(※ 関連資料を参照してください。)
■開発の背景
近年、自動車および情報機器などの小型精密部品を旋削加工する現場では、さらなる高精度加工と工具の長寿命化を可能とする、高品質で生産性の高い工具が求められています。これらの実現には、工具の摩耗による加工品質の低下や欠損トラブルを低減する新たな材種の開発が不可欠となります。このたび京セラでは、耐摩耗性と耐欠損性を向上させた新材種の開発に成功し、これらを用いた新たな2シリーズの工具を本格的に販売開始いたします。
■新材種の特長
組成材料や混合方法の改善などにより、従来材種の強度を向上させるとともに硬度も向上させ、欠けにくく長寿命な微細超硬母材を開発しました。さらにこの母材に最適な、京セラが独自に開発したTiCN(炭窒化チタン)系薄膜PVDコーティング※を施すことにより、従来品比約2倍の長寿命化を実現しました。
現行の一般鋼加工用工具「PR930」に加え、一般鋼の中低速・断続加工に最適な「PR1025」、快削鋼の中高速・連続加工に最適な「PR1005」を新たに展開することで、一般鋼から快削鋼に至るまで高い生産性を実現します。
※PVD(Physical Vapor Deposition:物理蒸着法)コーティング
電気・熱エネルギーなどで物理反応を起こさせ、母材表面に物質コーティングする方法
<PR1025の特長>
組成の改善による超硬合金の強靭化に加え、耐反応性・耐摩耗性に優れるPVDコーティングの採用で安定した加工を実現。従来品比約2倍の長寿命化を実現し、ユーザーの生産性向上とコストダウンを図ります。
<PR1005の特長>
高い焼結技術により従来品に対して高硬度化と高強度化を実現。しかも快削鋼に適した鋭利な切刃形状と耐反応性・耐摩耗性に優れるPVDコーティング採用により被削材の高品質な加工と従来品比約2倍の長寿命化に成功。ユーザーの生産性向上とコストダウンを図ります。