米アナログ・デバイセズ、携帯ネットワーク・アプリケーション向けBlackfinファミリーを発表
アナログ・デバイセズ、携帯ネットワーク・アプリケーション向けに
最新Blackfin(R)ファミリー「ADSP-BF52x」を発表
~パワー効率とセキュリティ機能が特長の応用性の高い製品シリーズ~
アナログ・デバイセズ社(ニューヨーク証券取引所:ADI)は、同社のBlackfin(R)プロセッサ製品ラインを拡張して、携帯メディア・プレーヤ(PMP)、IP電話(VoIP電話)、IP対応カメラ、およびモバイルTV機器など、性能要求が厳しい携帯アプリケーション向けに最適化した応用性の高いプロセッサ・シリーズ「ADSP-BF52x」ファミリーを発表します。この最新のBlackfinプロセッサ・ファミリーは、Blackfinの特長であるダイナミック・パワー・マネジメント機能をさらに強化しており、250MHzでコア消費電力0.16mW/MHzというBlackfinプロセッサ製品ラインの中でも最高の電力効率を実現しました。今回発表するADSP-BF52xファミリーには、600MHz動作の高性能/低消費電力シリーズ(ADSP-BF527/BF525/BF522)と、最高400MHzまで動作する超低消費電力シリーズ(ADSP-BF527L/BF525L/BF522L)があり、幅広い選択肢をシステム設計者に提供します。全製品ともにBlackfin Lockboxセキュア・テクノロジ(TM)を組み込んでおり、知的財産から電子商取引、ソーシャル・ネットワーキング・サービスまでを保護する次世代セキュリティ機能をデジタル・メディア機器に提供します。(詳しくは、ウェブサイト www.analog.com/BF52x をご覧下さい。)
DSP市場専門の調査会社であるForward Concepts社の社長、Will Strauss氏は、次のように述べています。「新しいBlackfinプロセッサにより、開発者はバッテリの節約が求められる次世代型の携帯機器製品を柔軟に開発できるようになります。Blackfinプロセッサを使うことで、システム設計者は自分のアプリケーションに適したプロファイルを適切な価格で選択できます。Blackfinが提供する様々な特長の組み合わせと拡張性の高い性能により、設計者はコンスーマにとってより魅力的な機能を機器に組み込み、他社製品との差別化をはかることができます」
部品材料(BOM)コスト、開発時間、そして基盤面積を最小化するために、ADSP-BF52xには、ハイ・スピードUSB OTG(On-The-Go)、10/100イーサネット、ホストDMAポート、NANDフラッシュメモリ・コントローラ、最高48個の汎用I/O(GPIO)ポートなどの集積システム周辺機能をオプションとしてそろえています。「ADSP-BF527C/BF525C/BF522C」バージョンでは、PMPやIP電話などスペースが制約されたアプリケーション向けに、組込み低消費電力のステレオ・オーディオ・コーデックも搭載しています。
アナログ・デバイセズ社汎用DSPグループのヴァイス・プレジデント、ジェリー・マクガイヤ(Jerry McGuire)は、次のように述べています。「この最新のBlackfinファミリーは、ハイエンド・メディア・プレーヤで求められる性能を、MP3プレーヤ用チップセット・レベルの価格帯で提供します。
ADSP-BF52xファミリーが実現する性能、消費電力、そして価格面での優位性は設計の可能性を広げ、豊富な機能をアプリケーションにもたらすことが可能になります。携帯メディア機器のネットワーク化が進み、P2P(ピアツーピア)によるコミュニケーションが増えていますが、当社のLockboxセキュア・テクノロジにより、開発者はさまざまな利用モデル向けに広範囲のセキュリティ手段を実装できるようになります」
次世代携帯アプリケーション向けのファミリー・セット
Blackfin ADSP-BF52xでは、電圧レギュレータの内蔵とプロセスの改善により、Blackfinプロセッサの特長であるダイナミック・パワー・マネジメント機能がさらに強化されています。ダイナミック・パワー・マネジメント機能は、その時点で実行されている機能に必要な処理速度MIPSに適した消費電力をオンチップ・スケーリングします。
ADSP-BF52xファミリーは広範な製品群で構成されており、システム開発者は特定のアプリケーションにあわせたMIPSキャパシティ、消費電力、および価格にあった製品を選ぶことができます。例えば、USBポートのオプションを持つADSP-BF52xメディア・プロセッサは、プレミアム・オーディオ・プレーヤのような携帯アプリケーションに適しています。また低価格帯のバージョンは、メディア・コプロセッサとしての用途に最適化してあり、オーディオ・メディア・プレーヤにWi-Fiやビデオ処理などを追加できます。
このため、システム開発者は機器に付加価値をつけられるようになります。電力効率の良い信号処理と、イーサネットやWi-Fi 802.11 a/b/gモジュールへの直接接続を可能にする周辺機能を備えたADSP-BF52xファミリーは、バッテリ駆動のネットワーク・デバイス、例えばIP電話やIP接続カメラ向けに適した機能を提供します。
Lockboxセキュア・テクノロジについて
ADSP-BF52xファミリーは、Lockboxセキュア・テクノロジを搭載しています。ハードウェアとソフトウェア・メカニズムを組み合せたこの技術は、OEM企業の知的財産のような機密情報の保護から、電子商取引やソーシャル・ネットワーキングにおける機器およびユーザの認証、デジタル著作権管理(DRM)コンテンツ保護まで、様々なセキュリティ対策を実装する手段を開発者に提供します。
Lockboxセキュア・テクノロジは、ワン・タイム・プログラマブル(OTP)メモリとセキュア処理モード(Blackfinセキュア・モード)により、これらの機能を実現します。OTPメモリの公開ノンセキュア・ユーザプログラマブル・エリアは、システムを認証するための公開キーの格納に適しています。
システム開発者は、この公開領域を自由に設定し利用することができます。OTPメモリのプライベート・ユーザプログラマブル・エリアには、システム開発者はプライベート・キーのような非公開情報を保管することができ、それらの機密性を保つことができます。つまり、Blackfinのセキュア・モードを用いて、本物と認証された信頼できるコードのみがセキュア処理環境のプロセッサ上で処理を行うことができるようにシステムを設計することができます。
価格と供給について
ADSP-52xファミリーは、14.50ドルで供給する600MHzのADSP-BF527から、5.50ドルで供給するADSP-BF522Lの300MHzバージョンまであります。(価格はすべて10,000個受注時の単価で、いずれも米国における参
考価格です)
今後、機能統合された機器はBlackfinクラスの処理能力を要求
ADIのBlackfinプロセッサは、マルチフォーマットのオーディオ、ビデオ、音声および画像処理、マルチモードのベースバンドとパケット処理、リアルタイムのセキュリティやコントロール処理といった機能の統合処理が不可欠なアプリケーション向けに、業界最高の性能と消費電力効率を兼ね備えた新しい種類の16/32ビット組込みプロセッサです。Blackfinプロセッサは、マイクロコントローラ(MCU)とデジタル信号処理(DSP)機能を1つの集積チップに統合した強力でスケーラブルなソフトウェア・プログラマブル・アーキテクチャになっており、デジタル・ホーム・エンターテインメント、ネットワークやストリーミング・メディア、自動車用テレマティックスとインフォテインメント、デジタル・ラジオやモバイルTVなどの機能統合されたアプリケーションに、広く採用されています。
今日、開発者は、最終製品の機能に直接関われるような堅牢なエコシステムを選び、市場投入までの時間を短縮しようとしています。ADIは、このような開発者をサポートするために、Blackfinプロセッサを用いた開発向けの使いやすいADI CROSSCORE(R)ソフトウェアとハードウェア・ツールをはじめとする高性能のツール、スタータ・キット、およびサポートを提供しています。その中には、業界で高い評価をえているVisualDSP++(R)統合開発とデバッグ環境(IDDE)、エミュレータ、EZ-KIT Lite(R)評価ハードウェアなども含まれます。
アナログ・デバイセズについて
アナログ・デバイセズ(ADI)は、技術革新、高性能、そして卓越した技術力を企業文化として継承し、半導体市場において長期にわたり高い成長を示してきました。
ADIは、データ・コンバージョンとシグナル・コンディショニング技術の世界的リーディング企業として業界で高い評価を得ており、あらゆる種類の電子機器分野を取り扱う世界各国60,000社以上の顧客に製品を提供しています。アナログおよびデジタル信号処理アプリケーションに用いられる高性能集積回路の世界的なリーディング・メーカーとして、40年以上の歴史を誇るADIは、本社をマサチューセッツ州ノーウッドに構え、全世界で約8,900人の従業員を擁します。製造工場は、マサチューセッツ、カリフォルニア、ノース・カロライナ、アイルランド、フィリピンにあります。アナログ・デバイセズはニューヨーク証券取引所に上場しており(ティッカ-:ADI)、ADIはS&P 500インデックスに挙げられています。
※Blackfin、CROSSCORE、VisualDSP++、およびEZ-KIT Liteはアナログ・デバイセズ社の登録商標です。Lockboxセキュア・テクノロジはアナログ・デバイセズ社の商標です。ここに挙げたその他の商標はすべてそれぞれの所有者の財産です。
< 製品に関する読者からのお問い合わせ先 >
アナログ・デバイセズ株式会社 広報・宣伝部
電話 03-5402-8270 marcom.japan@analog.com
【ご参考】
Blackfinプロセッサをサポートする業界各社のコメント
※ 関連資料参照