生研センター、野菜接ぎ木作業の完全自動化を実現する自動給苗装置を開発中
野菜接ぎ木作業の完全自動化を実現
-野菜接ぎ木ロボット用自動給苗装置を開発中-
生研センターにおいて開発し、現在市販中の「野菜接ぎ木ロボット(販売企業:井関農機(株)、金子農機(株)、(株)クボタ、三菱農機(株)、ヤンマー農機(株))」(以下、接ぎ木ロボット)に適用できる自動給苗装置を開発中です。接ぎ木ロボットの運転には、作業者3名が必要でしたが、本装置を導入すれば、苗供給者が不要になり、ワンマン作業が可能になります。次世代農業機械等緊急開発事業(通称:次世代緊プロ)のもとで、井関農機(株)と共同で開発を進めています。
1.概 要
自動給苗装置は、穂木用ユニットと台木用ユニットで構成され、既存の接ぎ木ロボットに後付けが可能な構造になっています(図1)。穂木用ユニットはキュウリとスイカ、台木用ユニットはカボチャとユウガオに利用できます。
穂木と台木をセルトレイからそれぞれ1本ずつ取り出し、苗の高さと子葉の向きを揃えながら接ぎ木ロボットへ自動供給します。(図2)
2.性 能
本装置を接ぎ木ロボットに取り付けることにより、給苗を含めてこれまで3名必要だった接ぎ木作業を1人で行うことができるようになります。これまでの試験を通じて、毎時750本以上の作業能率を確認しており、1人当たりの作業能率は接ぎ木ロボットのみに比べて約3倍、慣行の人手による接ぎ木作業の場合と比べて、約8倍に向上することになります。また、長時間の単調作業から作業者を解放するという点でも価値の高い機械といえます。
3.今後の予定
今後は、苗の取り出しや接ぎ木ロボットへの受け渡し機構について重点的に改良を行い、更なる精度の向上を図るとともに、愛知県と長野県における現地試験を通じて、耐久性や取扱性等の面から改良を行う予定であり、平成20年度中の実用化を目指します。