キリンファーマ、持続型赤血球造血刺激因子製剤「ネスプ静注用シリンジ」を発売
~透析医療での新たな価値の提供を目指す~
持続型赤血球造血刺激因子製剤
「ネスプ(R)静注用シリンジ」発売のお知らせ
キリンファーマ株式会社(本社:東京都渋谷区 社長:浅野克彦)は、2007年7月9日、持続型赤血球造血刺激因子製剤「ネスプ(R)静注用シリンジ[一般名:ダルベポエチン アルファ(遺伝子組換え)]」以下「ネスプ(R)」)を発売しました。
「ネスプ(R)」造血ホルモンであるヒト エリスロポエチン(EPO)のアミノ酸配列の一部を改変し、活性に重要な役割を果たす新たな糖鎖を付加させた新規の遺伝子組換え糖たん白質製剤です。新たに付加された糖鎖によって、従来のヒト エリスロポエチン製剤(エポエチンアルファ製剤)と比べて血液中での消失半減期が延長し、持続的な赤血球増加作用を発揮します。この特性により、これまでのエポエチンアルファ製剤より少ない投与頻度での貧血改善、また投与頻度の減少による感染等の医療事故のリスク軽減及び医療従事者の負担軽減などに貢献できることが期待されています。
「ダルベポエチン アルファ(遺伝子組換え)」は、1996年より当社と米国アムジェン社が共同で開発を開始し、2001年5月の米国、オーストラリアでの発売以降、すでに欧州、カナダ、台湾、韓国など世界40カ国以上で「Aranesp(R)(アラネスプ)」の商品名で販売されています。
現在、日本国内の維持透析患者は25万人を超え、増加傾向が続いています。腎性貧血は維持透析患者の主たる合併症であり、現在は約8割以上にヒト エリスロポエチン製剤が使用されています(※)。2004年には日本透析医学会から血液透析患者における腎性貧血治療ガイドラインが発行され、治療の標準化が進められています。「ネスプ(R)」の発売により腎性貧血治療に新たな貢献が出来ることを期待しています。
当社は1990年に腎性貧血治療薬としてヒト エリスロポエチン製剤「エスポー(R)注射液」を発売した後、二次性副甲状腺機能亢進症治療薬「ロカルトロール(R)注」、高リン血症治療薬「フォスブロック(R)錠」を発売し、腎臓・透析領域の医療に貢献してきました。今回、「ネスプ(R)」が製品ラインアップに加わることにより、腎臓・透析領域でのお客様評価No.1を目指していきます。
7月1日にキリングループの医薬事業会社として発足した当社は、従来から重点領域としている「腎臓」、「がん(血液分野を含む)」、「免疫・感染症」の3領域を重点領域として事業を展開しており、今後も新たな医療価値を創造することにより最先端の医療に貢献していきます。
キリングループは、いつもお客様の近くで様々な「絆」を育み、「食と健康」のよろこびを提案していきます。
※出典: わが国の慢性透析療法の現況2005年12月31日現在
日本透析医学会統計調査委員会(2006)
http://docs.jsdt.or.jp/overview/index.html